音楽は子供の頃から大好きでした。高校の時にはそれが高じてバンド活動に熱中しました。楽器はギター、ドラム、スチールギターと何でも演奏しました。バンドを始めるきっかけとなったのが一つ上の学年にいた岸部成雄さん(当時の東京インストルメンタルサークルのメンバー)の一言、「椎野、おまえ音楽をやれ」でした。
ベンチャーズがはじめて来日した時、「絶対に見に行け」と言ってくれたのも岸部さんです。コンサートの日は授業があったのですが、学校を抜け出しました。実際にベンチャーズの演奏を目の当たりにしたときは驚いたというより、「なるほどこういうふうに演奏しているのか」と納得したことを覚えています。というのも、来日前から見よう見まねで同じように演奏していましたから。
当時は「しゃぼん玉ホリデー」というテレビ番組があり、そこにバックバンドとして出演したこともあります。ギャラをもらってやっていたのですが、それが学校にわかってしまって、校長に呼び出され「お前は愚連隊か」と退学させられそうになりました。