【森本】 起業支援のひとつとしてオフィスの提供もなさっていますね。
【山本】 はい。すでに一定の規模としてレンタルオフィス業界があるのですが、当社の場合はただ単なる場所貸しではなく、人材やお金やソフトも提供しますということと結びつけていきたいと思っています。現在、青山と半蔵門の2カ所で展開していますが、これまでに急成長して巨大なインテリジェントビルに移転していかれた会社もあります。レンタルオフィスというだけでなくディール発掘の一つとしても機能しています。
【森本】 そういう意味では2005年春から始められている「起業家魂」という企画も、ディール発掘のひとつになりますね。
【山本】 本当の意味での創業期の方々が来るようにと知恵を絞った企画です。設立前の、会社をこれから始めたいと思ってる方、要はサラリーマンの方に対して、事業計画を募集し、1,000万円までは出資をしますということでリリースしたところ、エントリー時点で約100名の応募がありました。今後も、たとえば格闘技のPRIDEのようにシリーズとして継続し、一つの運動としてやっていくことで、新たに起業する人が必ず通過してくれるような、流れを作っていきたいですね。
【森本】 どれくらいのタームで開催するのですか。
【山本】 けっこう手間隙がかかるもので、とくに1回目はもう本当に死ぬ思いをしましたけれど、まあ、年に1〜2回という感じで考えています。もう少し体力がついてきたら、常時募集したいと思っています。
【森本】 今日お話しをお聞きしていてわかったことですけれども、山本さんでなければできないなと。結局僕らだと何が問題かというと、いろいろな経験を踏んできているので、違う論点がたくさん先行して出てきてしまう。リスクが取れなくなってきている。僕たちができないことがやれて確かにいいなあと思うけれど、でも、山本さんも年を取りますよね。
【山本】 そうですね。ただ、最初はインキュベーターだったのが、いずれはバイアウトをやりますなどと考えているといろいろな問題が起きてきますけれども、私たちは未来永劫延々このステージはやり続けていこうと思っているんですよ。ですので、私たちが携わっているマーケットのメッセージで、盛田昭夫青年を採用し続けることはできると思います。 |