【森本】 ファンドは、2000年の夏からこれまでに何本くらい組成されているのですか。
【安達】 1号ファンドは、今年春でほぼ投資を完了しております。今年3月には、昨年の初頭から企画していた2号ファンドがスタートしました。2号ファンドの特徴は、1号ファンドの実績をベースに、外部金融機関様の出資比率が高くなっています。もちろん、これらのファンドは、ITに特化しています。
【森本】 ファンドの正式名称は何というのですか?
【安達】 テクノロジーベンチャーズ投資事業有限責任組合で1号、2号と続いています。
【森本】 出資者はどういう人たちですか。
【安達】 都銀、生保、損保などですね。2号ファンドを始めるにあたっては、伊藤忠商事の情報部門の持つリストから70〜80社に募集をかけています。もちろん、その全部が出資してくれたわけではありませんが、80億円ほどの投資資金を調達しています。ただ、まだまだ各社ともベンチャー投資ファンドには、あまり資金を出す雰囲気がないので、理解を得るのが苦労する点ですね。
【森本】 出資者の方々が投資を決定した要因は何だったのですか。
【安達】 まず、我々メンバー全員が情報産業の営業出身であるということで、ITに特化した経験者で占められていることが一つです。そこに信用が生まれています。ベンチャーキャピタルそのものは金融事業ですが、情報産業の営業に関わるハンズオンに強みを持つベンチャー投資ファンドであることに賛同いただけたものと思っています。伊藤忠商事時代からの30数年にわたるITビジネスの蓄積で構築したネットワーク、リソースを最大限に使っていける点も評価いただいていると思います。 |