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VC vision
前編 後編
第12回 ブレイブ・ニュー・ベンチャー 前編 積極的なリスクテイク
インターネット分野のベンチャー企業としてスタートした株式会社サイバーエージェント。
2006年4月に、株式会社サイバーエージェント・インベストメントを
グループ会社として立ち上げ、ベンチャーキャピタル事業に本格的に乗り出した。
サイバーエージェントはどういうベンチャーキャピタル事業を展開しようとしているのか、
その活動の目的と理念について代表取締役社長の西條晋一氏にお話を伺った。

interviewer:森本紀行(ベンチャー座アドバイザー、HCアセットマネジメント代表取締役社長)
投資先一覧
インターネットビジネスについての知識量が違う

【森本】 サイバーエージェント・インベストメントのキャピタリストについてお聞きしたいと思います。どういう経歴の方が多いのですか。
【西條】 投資メンバーは全部で10名います。顔ぶれとしては、ベンチャーキャピタルの経験者が2名、インターネット事業マネジャー経験者が2名、あと、元銀行員もいます。みな金融、ベンチャーキャピタルのバックグラウンドがあるか、インターネット関連の経験者で占められています。年齢は、一番上が34歳で、一番下が新卒ですから、22歳です。平均で26、7歳といったところだと思います。10名のうち8名が国内担当で、残り2名が海外担当です。
【森本】 ずいぶん若いスタッフで運営されていますね。
【西條】 インターネットビジネスが1995年くらいから始まったと考えて、まだ11年くらいしか歴史のない産業ですから、この業界には、あまり先輩がいません。逆に若くてもリードしていける業界であると思います。それから、インターネットビジネスの中でも我々が扱っている分野は、基本的にC to C、あるいはB to Cのサービス系事業中心ですが、そのユーザーの年代に近いポジションにいる人間のほうが、そのサービスが今後伸びるかどうかを判断できるスキルが高いわけですね。たとえば、新卒の22歳のメンバーは女性ですが、2000年にはまだ中学生くらいだったわけで、その時期からインターネットのユーザー体験をしているわけです。そういう人の感覚は、もう、33歳の私とも全然違う世界の人間といってもいいくらいです。そういう意味では、あえて若手を抜擢しているということもあります。
【森本】 女性のキャピタリストは何名いらっしゃるのですか。
【鈴木】 3人います。
【森本】 ベンチャーキャピタルの世界で若い女性のキャピタリストというのはまだまだ数が少ないと思いますが、意識的に採用されているのですか。
【西條】 はい。やはり、女性でなければ本質的にわからないサービスがありますから、若い人の採用と同じで女性の採用も重視しています。
【森本】 担当はチーム制で行っているのですか。
【西條】 基本的には、一人が全部を担当します。案件発掘から投資実行、モニタリングまで。しかし、チームワークというものは重視しています。投資委員会で検討するまでに、実際にそのサービスを全員で使って意見交換をしたりしますね。
【森本】 これらの若いキャピタリストはどういう特色を持っているのですか。
【西條】 人材に関していえば、インターネットに精通しているということです。これは当社の必須の事項でもありますから。もちろん、キャピタリストとしての金融知識を持っていることは前提で、それに加えて、ということです。
【鈴木】 メンバー全員が、経営者とお会いしたときに、サイバーエージェントのキャピタリストは、さすがにインターネットビジネスについての知識量が違うね、と言っていただけるように日頃からインターネットビジネスを研究しています。常に最新のトレンドを把握することは勿論のこと、今後のトレンドを予測し、経営者の方に最適なアドバイスができるよう日々努力しています。

後編 「インターネットのリーディング」(2月21日発行)へ続く。


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