大学卒業後、農機具会社(大竹農機、現・大竹製作所)で営業をやっていた時期がありました。大学(愛知学院大学)時代のゼミの教授から紹介を受けて行ったという、実に主体性のない話でしてね。地方の農機具屋や農業協同組合を回ったりしていました。
何もわからないままに、全自動の脱穀機を売って歩いていたんですよ。でも地方回りがおもしろくて楽しくやっていました。地方で開催される展示会などに行くと、同業者がみんな集まってきて、そういう連中と一緒に泊まって遊んだりして。長崎、秋田、鳥取と、ずいぶんいろいろなところへ行かせてもらいました。
約4年間在籍しましたが、そこで気がついたのは、やはり自分は営業には向いていないなということでした。元来、酒が飲めないので、農協などに行くと酒が飲めないと買ってもらえなくて、無理してたいへんな思いをしたこともありました。人間関係のしがらみや、酒を酌み交わしながら物を売っていくというのはあんまり得手じゃないということがよくわかりました。
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