ベンチャー企業のオーナーの方々のプレゼンを聞いていると、マーケットのことなど何も考えていらっしゃらないなと思ってしまう人が多いんですよ。こういうふうにして儲けるんだという話はいっぱいなさるけれども、それがマーケットにとってどれだけメリットのあることなのかという話はほとんど出てこないんですよ。
そもそも企業というものは、マーケットにメリットを提供するからこそ存在理由があるわけですよ。お客様は何も企業家が金持ちになるために物を買ってくれているわけじゃないですからね。自分達にメリットがあるからこそ買ってくれるので、それは当たり前の話なんですけど、今のベンチャー経営者でそのように考える人はひじょうに少ない。したがって、成功の確率も低いんでしょうね。
「やっぱりマーケットの利益を考えなきゃいけないんですね」ということに2億円も3億円も使ってようやく気がつくのですね。それは初めての経験だからしようがないところはあるかもしれないでしょうが、これだけベンチャー企業が失敗を重ねていっても、ベンチャーキャピタルでそういう失敗の事例やノウハウを蓄積してるところがどこにもないんです。
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