僕がベンチャーの経営者によく話すことは、ベンチャーが有利なのは何かというと、何にも持っていないことが唯一有利な条件だと言ってるんです。大企業は優秀な人員をたくさん持ってはいるけれど、その反面いろいろなしがらみから何から不必要なものもすべてみんな抱えてるわけですよ。そこでベンチャーは大企業のできないことをやらなきゃいけないんだ、とね。
大企業はすでにできあがった、何千億円、何兆円というビジネスを持っているわけです。だから、どうしてもそちらが中心になるんです。新規事業が許されるのも、本体にいい影響を与える範囲においてであって、ここを否定するようなものはひとつも出てこないんですよ。
エムアウトのテーマのひとつは、まず大企業が持っている有利な条件を備えたプラットフォームを作ることなんです。情報はもちろん、とくに人材ですね。ここに有望な新規事業のシーズを載せれば、新しいビジネスが確実に成功する仕組みができるだろうということを今やっているわけです。
|