オークションというものは供給側の論理でできているんですよ。値段を吊り上げる仕組みです。最終的には落札者に決めさせるようになっているけれども、ベースは会社がどんどん吊り上げていく。
オークションがはじまる前から吊り上げがはじまってますからね。「向こうの人がこれくらいの値段で買うでしょうから、この程度じゃたぶん落ちませんよ」というようなこと言って、「じゃあこれくらいまで上げてみましょう」と言っておいて、今度は向こうへ行って同じようにして吊り上げていく。最後はオークションのところでさらに吊り上げる。
こういう仕組みは、ほんとに絵を楽しみたい人にとっては困るわけです。だから吊り上げじゃなくて、吊り下げるシステムを作ってくれって言ってるわけですよ。インターネットに、たとえばさっきのミック・ジャガーの絵を300万円で出す。売れなかったらそれを下げていくというシステム。これこそがマーケットが値段を決める仕組みです。 |