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Vol.001 株隙会社エムアウト 代表取締役社長 田口 宏第4話 何に投資をしていくべきか
コラム4“Exit” パーソナル・データ(4)
日本を活性化させるのは、やはり企業の力
 今もミスミの株を持っていまして、それを資金にして日本を活性化する、新しいビジネスをどんどん作っていこうということをやってるわけです。今期は赤字が出ますけれども、もっと積極的に投資をしていこうと思います。日本を活性化させる、元気にさせるのは、やはり、企業であると思っていますから。
  さきほど稼ぐだけではだめだとは言いましたけれども、やはり稼ぐことによって生活が潤ってきて、その中でいろいろな物を見たり聞いたりしてインプットされたものが、また違った形になってマーケットに出て行くわけです。人が働き、新しいビジネスがどんどん生まれてくる、そういう流れができてくるわけですからね。

借りる側にたった論理のビジネス
 本来起業を支援するはずのベンチャーキャピタル自体が、行き詰ってますからね。それに変わる起業を作る新しい産業を作らなきゃいけないという思いがありますね。
  実際ベンチャーキャピタルの多くは金の貸し手の論理でできている。今の銀行もそうでしょ。中小企業のオヤジさんたちに言わせると、銀行っていうのは天気のいい日に傘貸してくれて、雨が降り出すと取り上げるようなもんだと。貸す側の論理なんですよ。銀行というものは、ほかの産業と一緒で、やはり物のない時代、金のない時代にできた職種ですからね。
  だったら、借りる側の論理に変えたときにどうなるかを考えてみなければいけない。お客様のために有効に使うような、たとえば投資会社であったり。そこを考えていくと新しいビジネスが出てくる。それがわれわれの言う新しい社会の、次の時代のビジネスということですね。

ずっと遊んでろと言われても困ってしまう
 新しいビジネスを作るのが好きなんでしょうね。つまり、われわれの世代は仕事そのものが趣味なんですよ。ところが若い人から見ればそれが不思議に思えるようですね、外資系企業の社長をやっている僕の甥がいるのだけれど、「叔父さん、それだけの資産があってどうして遊んで暮らさないの」って聞いてくるんです。「僕だったら船でも買って世界一周するけれどなあ。今もそういうつもりで働いていて、早くそうなるようにがんばっているんだ」と言うんです。でも僕はそんなことやってはいられませんよ。ずっと遊んでろって言われてもね、逆に困ってしまう。
  そんなに稼いで、また仕事かって言われるかもしれませんが、それ以外に自分がやりたいことで、お金を活かして使う方法が見つからないんですよ。でもわれわれの年代では普通のことですよね。でも、もし、このビジネスが成功してまたお金が入ってきたら、その時は田口アートコレクションでもやろうかなって言ってるんですけどね。(了)




次号(4月5日発行)は、TSUNAMIネットワークパートナーズ 代表取締役社長の呉雅俊さんが登場いたします。



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