起業家・ベンチャーキャピタル・投資家を繋ぐコミュニティ・マガジン

Front Interview
第1話 第2話
第3話 第4話
Vol.002 株式会社TSUNAMIネットワークパートナーズ 代表取締役社長 呉 雅俊
第2話 会社経営の深層
コラム2“Mentor” パーソナル・データ(2)
行動が変わらないかぎり数字は変わらない
 ワタミで経営計画を作った時に学んだことは、「行動を変えないかぎり数字は変わらない」ということでした。数字だけの計画をどれだけ作っても本来の目的は達成はできません。そこで数字の計画に加えて、そのために何をするのかという行動計画まで組み合わせて作ることになりました。こうしてワタミの三年計画や年度予算を作っていきました。
  普通なら、10年後に目標を定めたら5年後にはこうする、3年後にはこうするという計画を作るものですが、渡邉さんの場合、さらに1カ月後はこうなる、そのために1週間後はこう、明日はこうするという計画を作っていくところがすごい。それをいまだに実行していますからね。

自分自身の限界を知る
 計画を作っている間は楽しいのですが、これを実際に行動に移すのは大変なことです。計画に自分自身が縛られていく。いくらやっても時間が足りない。眠る時間を削って仕事を続けているうちに、人間が壊れてくる気がしてきました。実はある時期、管理部門の責任者として、お金に絡む情報など会社の情報はすべて自分に集まるようにしていたのです。それらの情報すべてを自分で目を通して、判断していました。その無理が二部上場のための仕事と合わせてやってきてしまった。精神的なイライラが募ってしまって、「これはもう持たない」という状態になってしまったのです。それで自分自身が抜けても大丈夫な様に組織を作って退職することにしたわけです。私がワタミを退職したのは1998年、二部上場を果たした日の翌日のことでした。
  今から考えると、当時の私自身がワタナベイズムといったものにとらわれすぎていたのかもしれません。ワタナベイズムを自らに凝縮しすぎて自分自身を苦しめていたのかもしれません。
(4月19日更新 第3話「ベンチャーキャピタルという生き方」へつづく)




HC Asset Management Co.,Ltd