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Vol.003 グロービス経営大学院 学長 兼グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー  堀義人第3話 事業の成功に必要なもの
コラム(3) パーソナル・データ(3)
理想的な企業システムを構築し維持する
 僕がグロービスを起業したのは、お金のためでもハングリー精神のためでも、もちろん社会を見返してやろうという気持ちからでもありませんでした。とにかく、日本で「経営者教育」をしたい、日本から優秀な経営者を多数輩出し、日本経済の活性化に少しでも役に立ちたいという、切なる願いがあったからこそでした。
  今でもいろいろな人から「グロービスのビジョンは?」と聞かれますが、「ヒト・カネ・チエのビジネスインフラを作り、社会の創造と変革を促すことです」と答えています。こういうことを平然と言ってしまうので、時として「グロービスは青臭い」と言われてしまいます。でもこれは僕のグロービスにかけている自分自身の偽らざる心境なのです。

社会認知型ビジネススクール
 創業当時のグロービスは、文部科学省から学校法人としての認可も取れませんでしたから大学院を名乗ることもできませんでしたし、正式なMBA資格を出すこともできませんでした。このことについても、あれこれ言う人がいました。あるパーティーの席で有名大学の教授に面と向かって「おたくの卒業生が、ちゃんとした資格を貰えないのは困るといってウチに来ましたよ」と言われたこともありました。
  しかし、しっかりとした経営者教育ができていれば、形式的な資格などは取るに足らぬもののはずです。紙に書かれた資格としてのMBAがほしいという人には、それに合った学校があるでしょう。僕はどれだけ優秀な人材を育成できたかということで社会から認められたい、そう考えてグロービスを社会認知型ビジネススクールと呼んでいました。
  これは企業が作った商品やサービスを認めてくれるのは官庁ではなく、それを受け入れてくれる消費者だという思いから発想したものです。学校の場合は受講生であったり、受講生として派遣してくれる企業です。そして、学校で得た成果や内容を社会が認めてくれればいい。文科省が認めなくても、そうした社会に認められる学校になろうと考えたわけです。幸いグロービスは開校以来、高いレベルの講師や受講生が集まってくれたことで、みなさんから非常に高い評価を得る事が出来ました。




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