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Front Interview
第1話 第2話
第3話 第4話
Vol.003 グロービス経営大学院 学長 兼グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー  堀義人第4話 企業の価値とは何か
コラム(4) パーソナル・データ(4)
グロービス・グループとして起業を支援
 ベンチャーキャピタリストとして投資をする場合、どのようなところが判断基準になるのかとよく聞かれます。僕が見るポイントは会社の現在の数値だけでなく、その事業が将来どれだけ社会に価値を生み出せるか、そしてその価値をいかに利益に直結させることができる企業であるのかを一つの尺度にしています。お金を儲けることだけ考えているようなベンチャーには投資しません。お金が欲しい人の周りには、いくら優秀でも同じようにお金が目的の人しか集まってきません。そういう人達はまた必ずお金で去っていくことになります。つまり立ちゆかなくなるものなのです。
  ベンチャー企業には、ベンチャーキャピタルだけではなく、グロービス・グループとして徹底的にサポートもしています。ベンチャーというのは経営に関する知識、また経営を支える人材が圧倒的に不足している場合が多いものです。僕たちには幸い経営に関する知識がある。さらにいうとグロービスで学ぶ人達もいます。受講生の中には将来起業を目指す優秀な人材が多いですからね。そうした受講生や卒業生を投資先企業にご紹介する、ということもやっています。

不可能を可能にするパワー
 成功している企業経営者に共通しているのは、彼らの「考える力」がひじょうに高いということです。そして常識にとらわれない独自のロジックを持っています。これは日本人が最も弱い部分かも知れませんね。さらに言えば人を引っ張っていくリーダーシップや好きなことを突き詰めていく集中力に富んでいます。
  僕はベンチャー起業家に「世の中に対して何をしたいのか」「どれだけ強い志を持っているのか」を必ず聞くようにしています。そうした「思い」の部分がじつはビジネスを展開していく上で一番大切なものなのです。強い思いさえあれば成功のための創意工夫は自然と生まれてきます。仕事に情熱を持ち、楽しむことができれば不可能を可能にするパワーが生まれてくるのです。 (了)

次号(6月7日発行)は、フューチャーベンチャーキャピタル代表取締役社長の川分陽二さんが登場いたします。



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