ボストン コンサルティング グループに勤めていた当時は、日本のベンチャー企業についてはそんなに興味を持っていたわけではありませんでした。昔なら優秀な人材と称される人々は、NTTとか東京三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)を目指したものです。目標を下げてもせいぜい朝日新聞や講談社まででした。ベンチャー企業というものには、捲土重来、一発当ててやろうとばかりに起業したというイメージがどうしてもありましたからね。これは僕だけではなく、日本の社会というのは昔からベンチャー企業をそのような目で見てきたところがあります。
もちろんベンチャー企業の経営者の側にも問題はあります。利益を追求することしか考えていなかったり、IPO(株式公開)させることに必死になるような姿勢ばかりが目立ち、事業自体が話題を集めてマスコミに登場してくる人物でも、最低限の社会的ルールすら守れない人がいますからね。 |