僕が大学に入学したのは1970年代後半でした。それから1980年代前半にかけては、日本の景気が非常に良い時代でした。音楽好きの学生をターゲットにウオークマンが登場して、ウオークマン世代とも呼ばれるような社会現象を生みだしました。また、1980年代に入ると資生堂が女子大生をターゲットにした「パーキージーン」といった化粧品を大々的なキャンペーンを打って売り出したりしました。
とにかく消費者としての学生や女子大生というものが注目された時代です。当時の学生は親からお小遣いをもらうだけではなく、アルバイトもして可処分所得がとても多かったし、それを消費に回すわけですから企業が注目するのも当たり前です。
そんな大学時代に起業をしました。各大学の学生団体を束ねていき、そこで企業の新商品についてのプロモーションをしたりアンケート調査を行う会社です。当時のクライアントというのは電通や博報堂などが紹介してくれたサントリー、カネボウ、三洋電機といった企業でした。学生向けにアンケートをして分析して企業に提出するのですが、その分析に威力を発揮したのがコンピュータを使った統計解析、クラスター分析でした。理工系の学生に頼んで、アンケート調査の結果を大学のコンピュータを使って分析してもらっていました。コンピュータとはいっても、当時はまだパンチカードを使っていた時代でした。 |