iSi電通アメリカ時代はワシントンにもよく通っていて、「情報ハイウェイ構想」を推進する民主党のゴア副大統領の事務所にも出入りしていました。また「情報ハイウェイ構想」はライバルである共和党にも推進者がおり、ブッシュ政権で院内総務となるビル・フリスト氏(William Harrison "Bill" Frist)などとも知り合いになりました。そんな関係から2001年、大統領に就任したブッシュ氏の就任式や公式晩餐会にも招待されました。 インターネットというものは元々がARPANET(ARPA:Advanced Research Projects Agency)と呼ばれた米国の軍事ネットワークで、米国国防総省が保守運営を行っていたものです。しかしソ連との冷戦も終わり国防費が削減される中、国防総省ではこのネットを維持することが大きな負担になり、民間に開放することを決断したのです。GEの幹部から「インターネットが1994年春から商用化される」という情報が僕のところにもたらされたのは1993年春のことでした。僕はその話を聞いてすぐに「これは絶対にビジネスになる」と考え、会社の中にプロジェクトを作ったのです。
当時はインターネット自体それほど認知度がありませんでしたから、まわりの日系企業の人たちに向けてインターネットとはどういうものかという啓蒙をしたり、こういうことができますという提案をしたりすることから始めました。 |