ユダヤ人は「企業は罪」だと思っているそうです。企ては罪だという思想があるから利益の10%を教会や慈善団体に寄付しています。しかし現代の日本の企業家でそのように考えている人は皆無でしょう。とにかく何が何でも会社を大きくして利益を出せば良いと思っている人が多すぎます。
なんでも経済優先でマニュアル化と効率化だけを求め、日本にあった大切なもの、美徳が消えてしまっている。戦後の経済復興の時期ならば良かったのでしょうが、ある程度豊かになった時点で、オートマモードにしなければいけなかった。それを6速、7速とギアを入れ続けたものだから今は12速ぐらいになってしまって後戻りできなくなっている。
町もその影響でしょうか、特に東京など気の休まる町ではなくなってしまった。日本の企業家はもう一度自分の足下を見て、一番尊いものは何なのか、日本の美徳とは何であったのかを考えてほしい。そう思っています。
次号(2007年5月2日発行)は、早稲田大学ビジネススクール教授 商学博士の松田修一さんが登場いたします。
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