大学院修了後は、通商産業省に入省しました。仕事が忙しく、帰ったら風呂に入って寝るだけの生活が続きました。こうした生活を続けていると「自分の人生が仕事だけになってしまう」となんだか悔しいような気がして、1日に30分でも自分のための時間を作ろうと考えました。毎日30分、それを半年も続ければ結構な時間になります。その時間を使い、囲碁を勉強しようと考えました。
段位の認定大会が近づくと、昼休みに囲碁の本を取り出して勉強しました。上司から「食事に行こう」と誘われた時にも、食事のあとの喫茶店では本を出して読んでいました。多少へんな光景だったかも知れませんが、そのような事をしていても許される雰囲気が通産省にはありました。こうして1回目は、失敗しましたけど、入省して2年目の9月に、初段になりました。同じ月に、将棋と麻雀も初段になりました。
資格の修得はほかにもいくつかあります。最初は、宅地建物取引主任(宅建)の資格でした。これは省内で働いていたアルバイトの女性が持っていると聞きましたので、「じゃあ、私も」と軽く考えて参考書を読んで試験に臨みました。結果は惜敗でした。あとでそのアルバイトさんに、決定版の参考書があったと聞きました。次の年は、その参考書で勉強しましたが、土地バブルのときで受験者が増えて難化してしまい、また惜敗でした。 |