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Vol.021 株式会社アドウェイズ 代表取締役社長CEO 岡村陽久第4話 人儲け
コラム(4) パーソナル・データ(4)
サービス立国
 今後はモバイルでのアフィリエイトビジネスで欧米に進出しようと考えています。そもそもアフィリエイトは米国から始まったものですが、先日、現地の現状を調べてみたのですが、モバイルでの展開は日本の方がずっと進んでいます。実は技術でもサービスでも米国は日本よりずっと進んでいるのだろうと信じていました。米国の空港で職員がお客様の前で荷物を次々と放り投げているのを見てびっくりしました。日本ではそんなことをしたら絶対に苦情が来ます。また、ホテルに宿泊したときもフロントでとても偉そうな態度で対応されました。
 サービス先進国だと思っていた米国でしたが、現実はまったく違ったのです。お客様に対する心構えやサービスでは日本は一流だし、絶対に負けないと思うようになりました。トヨタがアメリカで売れているのは、きっとお客様のことを考えた乗り心地の良いクルマを提供しているからだろうと思ったのです。
 また、アフィリエイト広告のビジネスは技術的には簡単で、誰にでもすぐ真似することができますが、アフィリエイト広告には様々な不正がつきもので、それをいかに素早く発見し防止するかといったノウハウが欠かせません。そして、使われるたびによいものになっていく、そんなシステムをお客様に提供していきたいと思っています。


金儲けより人儲け

 振り返ってみると、これまで実に様々な経験をしてきました。事業が急成長した時期もありましたし、業績の下方修正をせざるを得なかったという経験もしました。そうした経験を積むことで、経営者として何をやって良いのか、何をやるといけないのかがわかってきました。私自身はアドウェイズを、社員が成長できる会社にしたいと思っています。人が成長できる会社、社員が入社して良かったと思える会社にしたいと思っています。
 また株主も大切にしていきたいと思っています。先日、ご高齢の株主の方から手紙をいただきました。アドウェイズの株価が20万円ほどの時に買っていただいた方で、その手紙には「最近は株価が下がってしまったが、私はあなたの将来を買ったのです。私が死ぬまでには株価を元に戻るように頑張ってほしい」と書かれていました。それを読んで、お金だけではなく、心からアドウェイズという会社を応援してくれる人がいることがわかりました。最近、アドウェイズでは「金儲けより、人儲け」というスローガンを掲げていますが、これは私がそうした人たちの恩に報いていく気持ちを表したものなのです。



次号(2007年12月5日発行)は、財団法人ベンチャーエンタープライズセンター理事長の濱田隆道さんが登場します。




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