社名の「リッキー」という名前は、妻の旧姓が「力野(りきの)」と言いまして、彼女のニックネームであるリッキーから付けたものです。大学時代に付き合い始めた時から、結婚後もずっと妻のことをリッキーと呼んでいました。たまたま日本興業銀行(以下、興銀)の利付き金融債の商品名(リッキー)と同じになり、興銀の先輩からは「興銀に対する思い入れがすごくあるのだね」と言われることもあります。
起業の決断は7年半前に妻が病気で亡くなったことに関係しています。そのとき、高校生と中学生の息子、小学校3年生の娘と3人の子どもがいました。
特に、娘のことを思うと、このまま銀行勤めをしていたら、帰宅する時間も遅く、寂しい思いをさせてしまうことが気がかりでした。それで会社か家庭か、どちらを選ぶのかとなったわけです。そして、家庭を取ることにしました。女性の方が結婚して、子どもができて、退職していくというのは、こういう感じなのかと思いました。
仕事より家族を取るという選択に「それはリスクが大きい」と反対する職場の先輩もいました。当時は興銀に勤務していれば、安定した生活と収入が得られるというのです。子どもの面倒を見られるように、早く帰宅できる部署への配置転換も考えるとも言われました。しかし、思い切って銀行を退職し、家庭を優先することにしました。
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