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Front Interview
第1話 第2話
第3話 第4話
Vol.034 アドベック CEO ブルーノ・ラシュレ第3話 バランス
パーソナル・データ(3)
社会的責務
 企業として、従業員や参加しているコミュニティに対して社会的責任を負うことと、利益を上げることは、必ずしも相容れないものではありません。むしろその逆で、ルールと目的が正しくコミットされている限り、両者は互いを必要とする関係にあるものです。
 アドベックの長期的な成功は、社会的責任と利益を両立させるという原則の履行にかかっています。そこには、基準に満たない投資に対して「ノー」ということも含まれます。私たちの社会的使命は競争力を維持し、ビジネスに関与している顧客や従業員、株主などの関係者のために、それらの人が負っているリスクに応じた、長期的な利益を提供していくことです。これが、社会的な責務を実践する唯一の方法となるのです。
 現在、私たちは企業の社会的使命を十分に果たしていると思いますしかし、そこにあきたらず 継続的な改善を行うことが必要です。特定の結果に満足しないことが大切であり、その継続的なプロセスにおいては、さまざまな関係者の利害バランスを取ることが最も困難な課題となるはずです。異なる関係者の望むこと、望まないことのバランスを取ること、それが企業の管理者としての私自身の使命です。良い従業員と確固たる事業計画を持つこと。自分自身の行動を絶えず反省すること。そして、最も大切なのは、顧客と直接的なコンタクトをとることです。

プロフェッショナル
 アドベックには、プロフェッショナルな投資ノウハウを備えた社員が60名以上います。何も、私一人でベンチャーキャピタルの業務を担当して世界を飛び回っているわけではありません。オフィスは、ニューヨーク、フランクフルト、チューリッヒ、北京に構えています。
 私はCEOとしてだけではなく、アジアのビジネス・デベロップメントに関しても、ヘッドとしてチームを率いています。今夜、オーストラリアを起つと、明日は香港、今週末はスイスという具合に、私の年間のスケジュールの1/3は出張です。
 現在、展開している投資プログラムは4本あり、それぞれについて専任のインベストメント・マネージメントチームを編成しています。私の役割の一つは、社内の投資委員会に参加することです。CEOという立場に必要とされるのは、人をマネジメントする力です。リーダーとしての能力、そして戦略的なマネジメント・スキルに長けていることです。そのために必要なのは、コミュニケーションです。社員とのコミュニケーション、管理職とのよりよいコミュニケーションに努めることです。ベターコミュニケーターになること、それに尽きると思います。あとは、人材のマネジメントに関して、常によりよい改善に向けた努力をすることです。



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