【森本】 ファンドレイズの告知や募集は、どのようになされていますか。
【金子】 ファンドレイズについては、これまでの投資家の方々に直接ご提案しているだけで、とくにプロモーションなどは行ってはいません。
【森本】 出資者には、ベンチャーキャピタルも多いのですか。
【金子】 はい。ベンチャーキャピタルにとっても、また、事業会社にとってもそうだと思いますが、彼らが投資しづらいアーリーステージの案件を、我々を通じて投資しているという側面があると思います。彼らにとってはディールソースの一環というイメージですね。最初に取りにくいリスクを我々のファンドを通じて取っているということになっています。
【森本】 LPはどのようなところをターゲットにしていますか。
【金子】 1号ファンドのLPは事業会社とベンチャーキャピタルで、2号は機関投資家とベンチャーキャピタルになっています。今後は、機関投資家から投資対象となるファンドとして高い評価をいただくようにしていきたいと考えています。あと、日本以外からの資金調達にも取り組んでいきたいと思っています。
【森本】 海外の投資家の照準はどこに定めていますか。
【金子】 グループ全体としての話になると思いますが、アジアへのシフトが進んでいます。資金調達の市場としてもアジアを取り込んでいく魅力は大きくなっていると思います。
【森本】 ngi groupが中国で共同の投資会社を作られたという話も聞いていますが。
【金子】 中国の胡錦濤主席の出身母体で中国共産党青年団という組織があるのですが、我々はその中国共産党青年団の人たちと親しくさせていただいています。中国共産党青年団と、中国で今成長しているといわれる投資会社と、ngi groupの3者が共同出資したジョイントベンチャーを作ることに合意しました。この背景には、日中韓の若手の経済人が集まるフォーラムがあるのですが、小池聡がその日本の代表に選任され、それがきっかけに交流が始まりました。
【森本】 ngi capitalの現在の布陣をお聞かせください。
【金子】 代表取締役会長が小池聡で、社長が私、キャピタリストは、パートナーが2名、プリンシパルが2名、アソシエートが2名、その他スタッフ数名による体制です。(2008年3月1日時点)
【森本】 投資した企業数は何社ですか。
【金子】 ファンドの投資先は約70社になります。ただ、ファンド設立以前から関わっていて現在はイグジットするのを待っているだけの企業もありますので、実際にメンバーがアクティブに関与している企業は40社ほどです。
【森本】 案件の発掘はどのようになさっているのでしょうか。
【金子】 基本は紹介です。我々はアーリーステージへの投資を、ある意味中立的な立場で行っていますので、投資先の経営者の方々が、創業を考えている友人、知人の方々に、ngiなら相談に乗ってくれるよ、と話してくれるケースが多いのです。そうした経緯でご相談を受けることが少なくありません。あるいは、創業されていても、まだどこのベンチャーキャピタルとも接触のない経営者とお会いすることも多いですね。
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