【森本】 コアピープルのファンドの設立はいつですか。
【本間】 2007年です。いま2年目に入っています。
【森本】 このファンドでの投資先はインターネット分野に特化しているのですか。
【本間】 ソフトウェアとインターネットサービスですね。
【森本】 ソフトウェアはどういうビジネスですか。
【本間】 ソフトウェアは、現在ではインターネットサービスと区別しにくくなってきている部分もあると思うのですが、例としては、写真や画像の変換エンジンを作っている会社に投資しています。デジタルカメラで撮った写真を携帯電話で取り出すというサービスで、「さくさく四コマ画像ワールド」というサイトです。最大250枚の写真をこのサイトに送信すると、アルバムができてくるというものです。いままでは、携帯電話で写真をすぐに人に見せることは、なかなか難しかったのですが、このサイトにデジカメや携帯電話で撮った写真を保存しておけば、携帯電話からアクセスして、いろいろな写真をすばやく取り出すことができようになります。写真は非公開にすることもできるので、プライベートの写真整理にも便利です。これは、去年の秋口ぐらいから話を進めて先週くらいに立ち上がったビジネスです。
【森本】 本間さんの得意分野に投資する方法だと、投資先のレンジが狭まっていくことはありませんか。
【本間】 ソフトウェアとインターネットに特化している点で、すでにレンジが絞り込まれているわけでして、そこが一つ問題点になるかもしれません。しかし、投資のファンドマネジャーとして考えると、今のビジネスモデルは、ある程度吟味してきたところがあるのです。ベンチャーを立ち上げの1年から2年のステージと、2年から6年のステージ、それからさらにIPOへ向けての段階という、3つに分けたとき、2年から6年のステージは大手のベンチャーキャピタルさんが非常に大きなお金を投じている領域です。日本のベンチャーキャピタルは2,000億円から4,000億円の市場といわれていますが、そのほとんどはこのステージに投入されているものです。IPOマーケットは、上場できる企業数の計算が立つわけではないので、大きくなったり小さくなったりという不確定な要素があります。私が手がけているのは、このうちの事業化の発端から1年、2年のステージの部分に関わり、ベンチャーを作り出すことです。そこに向けてスケールのあるビジネス、起業家、企業を量産していくことが、私のビジネス目標になります。
【森本】 要するに市場が未成熟な部分をターゲットにするということですね。
【本間】 はい。米国のベンチャーキャピタルのマーケットは約3兆円の規模といわれます。日本のベンチャーキャピタル市場の約10倍です。そして、米国のエンジェルマーケットも約3兆円の規模がありますが、日本では、このエンジェルマーケットにほとんど資金が流れていません。私は、この国内のエンジェルマーケットで有利な競争ができるのではないかと考えているのです。日本の2,000億円から4,000億円のベンチャーキャピタル市場は、大手のベンチャーキャピタルが多くの資金を投下している部分ですから、そことは違う金融マーケットで何らかの形のポジションを築いていくことが私の狙いなのです。
|