【森本】 案件の発掘はどのような形で行っていますか。
【アンディ】 投資先案件の発掘は、3分の1は、直接の持ち込みによるものです。たとえば、以前の投資先が新しい企業を起こした場合であったり、投資先企業の紹介で当社を訪問してくる場合などです。また、他のベンチャーキャピタルからの紹介案件がやはり3分の1くらいあります。そして、残りの3分の1は証券会社などの金融機関や大手事業会社などからの紹介になります。これらのうち、当社が直接相談を受ける案件が有効な投資先になる例が多いですね。投資案件の検討は、毎週月曜日に、テレビ電話で三つの事務所のメンバーが参加する形で行います。各担当が持ち寄った案件を会議参加者全員で意見交換して審査していきます。話し合う内容は、その案件の魅力的な点そして、リスク面についての検討です。ここで重要なのは、案件の持つ問題点を厳密に見ていくことです。その問題点をクリアしていくことができれば、投資へと進んでいくきます。見るポイントとしては、経営者、技術、投資条件、競争力などに注意を払っています。
【森本】 投資案件についてのテレビ会議には全員が参加しているのですか。
【アンディ】 はい。参加者は、14人の投資チームに経理1名を加えた計15人で行っています。投資チームは、パートナーが7人で、アソシエートらが6人とCFO1名の構成になっています。そして、3カ月に1回、会議メンバーが全員集まって、同じフォーマットのチェックシートで投資案件全社をレビューする会議も設けています。そこで、各投資先企業の遅れている点、不十分な点を洗い出して、その対応策を議論します。
【森本】 投資先の企業成長への関与はどのような形で進めるのですか。
【アンディ】 重要なのは、投資後にその企業をどのように成長させていくかです。ここでは三つのポイントに絞って、我々の役割を定めています。一つは、取締役としての関わり方です。自分の視点から、どのように努力したらいいのかをアドバイスすることを重視しています。投資家を紹介する資金調達の支援が大事になりますし、顧客となる企業を紹介していく活動も重要な仕事になります。二つ目は、グローブスパンの持つ人材、ネットワークを使って、その企業が展開する市場にしっかりとした足場を築くための支援です。そして、三つ目は、取締役としてその企業に入っていても、自分ひとりの力で成功を勝ち取れるわけではないので、チームワークで仕事を成し遂げる姿勢を持つことです。全員が力を合わせることが大切なのです。
|