【森本】 投資を考える先のマーケットサイズについては、なんらかの指標をお持ちですか。
【アンディ】 大体1,000億円くらいの規模は必要だと考えています。
【森本】 投資にあたっては、どのような技術に狙いを定めていますか。
【アンディ】 一言でいえば、ソリューションとなる技術です。あれば便利というレベルではなくて、その技術によって多くの人のニーズを解決できるクオリティがあることを、我々は求めています。大事なことは、多くの人が必ず必要とする技術であることです。「nice to have」ではなくて、「must have」 である技術であれば、市場が大きく伸びる可能性も大きいといえると思います。ただ、それをピンポイントでみつけることは難しい問題でもあります。
【森本】 これからの短期、中長期での将来的な展望はについてお聞かせください。
【アンディ】 短期的には、現在運用している三つのファンドで高いリターンを実現することです。そのためには、我々は有望なベンチャー企業を必要としていますし、逆にベンチャーの経営者からは、常にグローブスパンの支援の中身について問われているともいえます。我々の武器は、他のベンチャーキャピタルにはない、日本を中心としたアジアでのビジネス開発能力です。業界内外に張り巡らされているコネクションと、有能なマネジメント人材を紹介できる体制は、ベンチャーの経営者に大きなメリットを提供できるものと考えています。また、中長期的には、日本を中心に行ってきたアジア投資を、今後は韓国、中国、東アジア全体へと拡大していくことです。そして、5号ファンドから新機軸として導入したクリーンテクノロジー分野への投資を、従来の太陽電池、エタノールにとどまらず、さらに投資技術領域を拡大していく計画です。こうした活動を一層充実させ、真にグローバルなベンチャーキャピタルに成長することを目指しています。
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