私の人生に最も大きな影響を与えたのは大学時代の放浪体験だったかもしれません。当時は小田実などの作家が好きで、よく彼らの著作物を読んでいました。その影響を受けて、大学3年の時にヨーロッパへ放浪の旅に出たことがあります。大韓航空機を使ってまずパリまで行き、そこから先はユーレイルパスを使ってあちらこちらの国を巡りました。西はスペインから東はトルコ、ギリシャまで。ユースホステルを使うこともありましたが、列車の中で寝ることも多かった貧乏旅行でした。
この旅を通した数々の出会いで感じたことは、当たり前のことかもしれませんが、どこに行っても人間というのはみんな変わらない、同じものなのだということでした。どんな国の、どんな民族でも人の心の動きというものは大きく違わない、という確信を得ることができたのでした。
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