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Vol.004 フューチャーベンチャーキャピタル株式会社 代表取締役社長 川分陽二第4話 ベンチャーキャピタリストの育成
コラム(4) パーソナル・データ(4)
京都で一生懸命やってきた
 私たち金融業にとってお金というものは原材料でもあり、商品でもあります。幸いフューチャーベンチャーキャピタルの資本金は現在18億8,000万円にまでなることができました。ここまでになれたのは、技術的に見れば増資やファンド集めなどで信用を勝ち得てきたといえます。また、我々の扱うお金そのものも同じく信頼を得てきたといえます。
  ですから、ベンチャーファンドで100億円のファンドを設定することができたのも、そのうちの16億円を我々自身が出したからだと思います。こちらが16億円を出しますと言えば、それならば、16億円を出しましょうという人が出てくるのです。またMSCB(転換価格下方修正条項付き転換社債)を発行するときも、本来なら株の希薄化につながるからと嫌がる株主の方々も出てくるはずですが、大株主の方々にはしっかりと説明さし上げて、納得していただきました。納得してもらえた要因としては、上場後も京都で一生懸命やってきた我々の姿をご覧いただいていたからだと思っています。

「頭の良さ」と「人間力」と
 ベンチャーキャピタル業界で成功するために欠かせない条件が、「頭の良さ」と「人間力」ではないでしょうか。頭の良さというのは、知識を吸収する力、コミュニケーション能力、先見性、そして分析力もしくは想像力といったものだと思います。人間力というのは、人のために役に立ちたいと思える使命感を持っているかどうかということです。というのも、私たちの仕事は、投資先の企業の皆様と一緒になって考えていく、行動していくことがどうしても必要になりますから。
  ですから、人材の採用に当たっては、この頭の良さと人間力というものを念頭に置いて選ぶようにしています。でもこの人間力があるかどうかを見抜くのは並大抵のことではありません。本当にわからない。難しいですね。
  実際に新卒を採用して一人前のベンチャーキャピタリストとして大成するのは10人に1人ぐらいでしょうか。投資案件についての判断というのは多数決で決めるものではなく、あくまでも個人の判断力に負うところが大きいものです。だから、どうしても「できる」人間が必要になるのです。
  もちろん、優秀な人間以外はすべてダメな存在であると言っているわけではありません。どのように大きな企業でも最終的な決断を下して責任を取る人間は、実はごく少数です。会社がきちんと事業を行っていく、あるいは成長していくためには、普通以上の優秀な人材がたくさんいてくれたほうがいいということなのです。




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