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Front Interview
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Vol.004 フューチャーベンチャーキャピタル株式会社 代表取締役社長 川分陽二第2話 時代の先を読む力
コラム(2) パーソナル・データ(2)
事業の成長を肌で感じる
 この大阪支店に勤務していた頃から気づきはじめていたのが、ビジネスに対する自分の勘は当たるということです。仕事で数多くの企業経営者の方々とお会いしているうちに、「この社長は成功するだろう」ということを、肌で感じることができるようになったのです。
  今から振り返って考えてみますと、そうした勘を磨くことができたのも、数々の社長と直接お会いする機会をもてたことだと思っています。会ってお話しするなかで社長の人物が見えてくる、考えていることもわかってくる。またこの会社はどちらの方に向かって進んでいるのだろうか、ということがわかってくるようになったのです。いわゆる一般的なモニタリングではわからない部分、見えない部分が見えてくるのです。
  また頻繁にお会いするうちに、相手先からも信頼されるようにもなり、事業上の問題点やさまざまな課題などを相談されるようにまでなっていきました。

ベンチャー企業は時代を変えていく
 私は、ベンチャー企業というのは時代のニーズに対応したものであり、時代を変えていくものであると思っています。本来なら大企業の中からそうした流れが出てくるものだったのでしょうが、現代は状況が大きく変わってしまっています。こうしたベンチャー企業を金融面から支える仕事を自分の手でやりたい、という思いが強くなり、独立の決意をしたのです。
  そして1998年9月11日、フューチャーベンチャーキャピタルを設立しました。ところが、実際に起業してみると大変なプレッシャーに押しつぶされそうになりました。起業するとき7,000万円の資金を集めたのですが、正直申しますと、自分が出資した3,200万円は借金でした。当然、返さなければいけないものです。しかし、本当に返せるだろうか、他の出資者の方の信頼を失わないだろうか、自信と不安が交錯する眠れない夜が続きました。
  創業時にこうした葛藤を経験しただけに、投資についても私同様に「絶対に返さなきゃいけない」とプレッシャーを感じる人、つまり、強い責任感を持っている人に投資していきたいですね。悲しいことに経営者の中には投資を受けて、お金を貰えてラッキーだとか、ただで手に入れたと思ってしまう人がたくさんいるのです。こういう人達のところに大切なお金が絶対に行かないようにしたいですね。
(6月21日更新 第3話「ベンチャーキャピタルという必然」へつづく)




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