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Vol.004 フューチャーベンチャーキャピタル株式会社 代表取締役社長 川分陽二第3話 ベンチャーキャピタルという必然
コラム(3) パーソナル・データ(3)
ビジネスモデルよりも何よりも
 これはあくまでも私の経験則から言えることなのですが、投資判断する際もっとも重視するのが、社長の人物像と"この事業は成功する"という強い信念を持っているかどうかです。
  いくらビジネスモデルが素晴らしくても、社長がその器でなければ失敗する確率が高くなります。しかし、ビジネスモデルが少々悪くても社長に力があれば、事業を展開していく過程でいくらでも進路を修正していくことができます。
  ところで、ビジネスモデルは素晴らしい、しかし社長が、いい線は行っているものの一流とはいえないケースがあります。こうしたときには社長をサポートする存在である、番頭さんの人となりを見るのです。このポジションにいる人物が一流であれば投資をします。

事業を絞り込むこと
 投資を決断し、さあ事業を展開していこうという段階になりますと、経営者には事業を絞り、誰にも負けない強みを作って一点突破するようアドバイスしています。ベンチャー経営者の中には、いろいろなものに手を出したいという思いがあるのです。しかしそれでは結果が出せません。この絞り込みをしていくためのノウハウとして、わざと失敗させる手もあるのです。手荒なやり方かもしれませんが、経営者が本来の目的を自覚することができますからね。
  京都にある和太鼓の会社が東京に進出したいという相談を受けたことがありました。経営者はとにかく東京に進出するのだから、太鼓を売る店を開く、製造もやりたい、教室を開いて和太鼓の魅力を広げるのだと、とにかく事業の数を広げようとしました。しかし最初から手数を増やしていくことは、それだけ失敗の可能性が高まることになります。説得してもあまり納得してもらえず、とにかくスタートしました。結局今は教室を重点に絞り込んで、しっかりと足場を固めている段階です。
(6月28日更新 第4話「ベンチャーキャピタリストの育成」へつづく)



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