そこで、僕が日本へ行って代理店の立ち上げをサポートしてこようということになったのです。最初の頃は、日本にいるのは1〜2年の予定だったのですが、結局10年以上日本にいることになりました。
外資系の企業で日本に派遣されるエリート層というのは、何のために日本に来るかというと、だいたい米国本社のスタンスを押しつけるために来る人が多いのですね。本社の偉い人の中に「日本に問題がある」と思っている人がいて、その問題を解決させようと送り出してくるわけです。だから、本社の方針を有無を言わせず押しつける。
まあ、それも一つのやり方かもしれませんが、僕のパーソナリティに合わないやり方なのです。僕自身は、ビジネスを円滑に進めていくためには命令ではなくコンセンサスが大切だと思っています。
だから日本に来てアシストと仕事を始めた当時は、常に「代理店であるアシストの考えを本社に理解してもらおう」ということを念頭に置いて行動しました。米国にいたときは、日本で使えるであろうソフトがたくさんあるのに、日本の代理店は受けてくれないと、とても不満に思っていました。ところが日本に来てみると代理店の人も一生懸命仕事をやっているのが見えてくるわけです。受けられない仕事も当然あることがわかってきました。僕より日本のマーケットやお客様のことをよく知っていることもわかってきました。 |