日本オラクルのマネージャーをしていた頃、自分はマネジメントに向いていないのではないかと感じ始めていました。僕の場合は、自分がマネジメントをするより、マネジメントに向いている人を巻き込んで仕事を進めていくほうがいいのではないかと思い始めるようになったのです。
ちょうどその頃、日本オラクルをさらに大きくするために、社長をヘッドハンティングすることになりました。そして、次なる発展と展開を任せられる社長に引き継ぐことができたら、本社に戻るつもりでした。僕はその一次面接の担当となったのです。面接には焦らずじっくりと時間をかけました。お会いしたのは40人ほどだったでしょうか。そこに現れたのが佐野さん(佐野力・現サンブリッジ取締役/元日本オラクル代表取締役会長兼CEO)でした。佐野さんはとても優秀な方で、仕事の面だけではなく人間的にも尊敬できる人でした。この人が社長をやるなら、本社に戻るよりも彼の下で働いてみたいと思ったぐらいでした。 |