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Vol.008 エル・ピー・エル日本証券株式会社 代表取締役社長 米田 隆第4話 パーソナルブランドの時代
コラム(4) パーソナル・データ(4)
経営にしなやかさを
 日本経済が最悪の状況になっていくという最も厳しい時期に起業したということは、生き残った今となって振り返ってみてみると、大変良い経験ができたものだと思います。その時実感したのは、経営者はタフでなければならないということでした。単に固いだけをタフとは言いません。それでは簡単に折れてしまいますから。本当のタフというのは「しなやか」なんです。そんなことが今となってはよくわかります。
  私は起業して以来コーポレートブランドではなく、パーソナルブランドで生きてきたとお話ししましたが、最近は大企業の中でもそうしたパーソナルブランドを評価する気運というのが出てきていると思います。コーポレートというのはどちらかというと動きが鈍いものです。それに比べるとパーソナルには迅速さがあります。変化のスピードがこれだけ速い時代には、コーポレートのほうも、新しいDNAを取り入れてスピードを上げる必要があると感じているのでしょう。

自分自身を発信し続ける努力
 パーソナルブランドを確立するために必要なことは、まず学ぶ姿勢を持つことですね。自分のあるべき姿をイメージしながら、それを強化していく媒体やパートナーとの関係を強め、自分自身を発信し続ける努力をしていくことも必要です。
  私の場合は1989年以来富裕層ビジネスを手がけているという理由もありますが、そうした層に向けた雑誌などには、媒体を選んでコラムを書いたりしています。また資産運用などに関する本を書くこともあります。そのほかにはアカデミックの世界との接点を持つということも重要ですね。今は慶応大学のキャリアリソースラボラトリーで、上席研究員として研究や大学生に講義をしていますが、アカデミックの世界との接点を持つということは自分のクレディビリティ(信用力・信頼性)を大変高めることにつながります。
  また、アライアンスの構築に当たって大切なことはコンセプトや理念です。良い理念やコンセプトを共有すればビジネス自体も上手くいくようになります。

ビジネスプロデューサーとしての資質
 私の場合はさまざまな人と良い関係を作る中で、ビジネスプロデューサーとしての資質も身につけることができました。この9月で50歳になったわけですがネットワークや人脈という意味では、これから黄金のステージに入ってくるわけです。ビジネスプロデューサーとして、これから15年から20年が旬の時期なのでしょう。そうしたことが確信を持って言えるのも、若いときから周りの人と良い関係を築いてきたからです。
  良いコンセプトなのに経験も浅い若者が言ってきたということで、大企業から拒否される。実は私もそんな壁に何度もぶつかってきました。何年か経ってみたら「なんだ、あのとき私が提案したことをやっているじゃないか」などと悔しい思いもしています。
  そうした思いをしないためにはスポンサーをつけるということが大切ですね。今の私はLPLという業界最大手の企業がスポンサーとして付いています。彼らにはブランドも資金力もノウハウもありますから、信用は格段に違ってきます。起業する際はスポンサーのことも考えていけば、成功の確率は上がるのではないでしょうか。




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