今原さんは、海外の金融業はどのようにして利益を上げているのだろうか、それを視察しようということでヨーロッパと米国を回ることになりました。あるきっかけでフランスのパリバ銀行で聞いた、「自分たちは米国のベンチャーに投資して収益を上げている」という話に興味を持って、米国に行って投資をされているというバイオ系の企業に行くと「うちにはパリバなどという株主はいない」というのだそうです。それで、その会社のCFOに確認したところ「パリバはファンドで投資しているのではないか」という話になったわけです。
今原さんはその時初めて投資信託とかファンドというものを意識したのでしょう。帰りの飛行機の中では、そのことばかり考え、ついに決意したのです。帰国すると挨拶もそこそこに私に向かって、「米国ではベンチャーキャピタルは投資信託でやっている。お前は投信部長だったのだからすぐに開発しろ」と命令が下ったわけです。 |