なぜ弁護士という職業を選んだのかよく聞かれるのですが、子供の頃から憧れをもっていて、ずっとなりたかったというわけではないですね。親類関係で弁護士をやっている人もいませんでしたし。
自分自身の指向として、大きな組織に入って仕事をするのは嫌だなという思いはありました。子供の頃から会社や役所に勤めている親や親類を見ながら、ずっと言い聞かされてきたのが「すまじきものは宮仕え」ということでした。幼心に、そういうものがすり込まれていたのかもしれません。ですから大学に入るぐらいの頃からでしょうか、どこかの有名な保険会社に行きましょうとか、銀行に行きましょうとか、そういった考えは頭の中にありませんでしたね。
弁護士という職業を知ったのは、小学校の頃です。当時住んでいた家の前に弁護士さんの家がありました。その頃はテレビがまだ珍しい時代でしたが、その家に行くとテレビがあったり、冷蔵庫があったりするわけです。それで弁護士というのは豊かな生活ができる職業なんだなと思いました。
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