弁護士の仕事というものは、すべての答えが六法全書に書かれていると思っている人がいます。しかし、実はそうではありません。六法全書に通暁していて、公になっている判例とか解釈は知っている、しかし、そうした知識のある人でさえ答えが見つけられないようなケースに答えるのが、我々のような企業法務の弁護士の仕事です。
とくに新しいビジネスの相談に来るお客様というのは、人のやっていないこと、新しいことをやってお金を稼ごうとしています。そうした方の質問に対しては徹底的に調べてベストの回答を返します。一番あぶなげのないのは「そんなことをしても知りませんよ」という答えなのでしょうが、そんなことをしていたのではお客様に来ていただけません。
また後で"違法だ"と言われても大変です。必要なら役所に相談したり、これまでの判例を調べたりもしますが、最後は自分自身で"ここまでは大丈夫だろう"という判断をします。そういう意味では鼻のきかせ方が必要だということになるし、ある意味リスクを負って判断しているということになります。 |