起業家・ベンチャーキャピタル・投資家を繋ぐコミュニティ・マガジン

Front Interview
第1話 第2話
第3話 第4話
Vol.013 株式会社リヴァンプ 代表パートナー 澤田貴司第1話 あこがれに導かれ
コラム(1) パーソナル・データ(1)
商社マンにあこがれる
  就職活動中の大学4年生時代にNHKで放送した「ザ・商社」というテレビドラマを見ました。伊藤忠商事が安宅産業を買収するという実話をドラマ化したものです。私はそれを見て単純に商社マンって格好いい、商社で仕事をしたいと思ってしまったのです。
  成績のほうはあまり良くなかったものですから、アメフト部の先輩を頼りにしようと、先輩のいる商社を調べてみました。すると伊藤忠商事が一番多かった。
  もちろん就職活動にあたっては自分なりの工夫もしました。当時は企業による学生の青田買いは禁止されていましたから、どんなコネのある学生も10月1日の就職解禁日には企業の前に並ばなければならなかった。私はスーツではなく学ランを着て並びました。伊藤忠に入社するために、とにかく目立とうと思ったわけです。満足な成績ではなかったのに伊藤忠に入社できたのはアメフト部のキャプテンをやっていたことと、先輩がたくさんいたおかげだと思います。

伊藤忠入社

1981年に伊藤忠に入社して、まずは化学品を取り扱う部門に配属されました。ケミカル関連製品を売ったり買ったりするところです。この部門には11年間所属しました。商社の花形といえば営業ですが、新入社員のうちは先輩が決めてきた商売の事務処理が中心です。たとえば船やトラックの手配をしたり、港湾の荷役を手配したり、保険、L/C開設、予算管理といった仕事もしていました。
  総合商社では、こうした事務処理の仕事を2年ほどで経験して、そのあとは海外へ出張したり赴任したりして営業に携わるというのが通常のコースです。しかし、私の場合は社内試験に落ち続けるなど、できが悪かったのです。それで同期の連中が次々と海外へ出て行くのに、それを横目で見ながら倉庫管理など事務の仕事を6年間も続けていました。
 しかし、その経験も無駄ではなかったと思います。事務の仕事を続けている間に運送会社や船会社の人と仲良くなって、私が電話一本すれば無理を聞いてくれるようになるまでの関係を作ることができました。またこの時には、商品が実際にどんなふうに動いているのかを現場で覚えることもできましたから。

3月14日更新 第2話「商売に開眼する」へつづく)




HC Asset Management Co.,Ltd