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Front Interview
第1話 第2話
第3話 第4話
Vol.013 株式会社リヴァンプ 代表パートナー 澤田貴司第4話 お金と汗と喜びと
コラム(4) パーソナル・データ(4)
リヴァンプのスタート
 キアコンをたたむことを決めて、整理をしていたとき、玉塚さんから電話がありました。「相談したいことがある」ということでしたが、そのときは私自身が忙殺されていて詳しい話を聞くことができませんでした。それから何週間後、ふたたび彼から電話をもらいました。そのとき玉塚さんから「ファーストリテイリングを辞める」という話を聞いたのです。
  玉塚さんに直接、会って話を聞きました。彼の退職の決意は固かった。では、これからなにをやろうとしているのかという話になりました。彼は企業再生ファンドに興味を持っているということでした。私は私なりにファンドの実態のようなものを話したところ、いつの間にか二人で”プロセスを大事にする企業再生”をやろうという話になったのです。それからあとは早かったですね。デル・コンピュータにいた浜田宏さんや、キアコンで一緒に仕事をしていた仲間が、次々と集まってくれました。それが今のリヴァンプです。
  2005年に設立したリヴァンプは、「経営」を請け負う会社です。我々は自分たちのお金を出資し、さらに企業の中に入って汗も流します。出口の所では株式を売却しないということも相手に約束しているケースもあります。では、どのようにして収益を上げるのかというと、企業の再生・成長プラン策定の手数料、関係企業に人を派遣する対価としていただくマネージメントフィー、出資に伴う配当収入、ストックオプション等などを考えています。リヴァンプがスタートしてから様々なメディアに取り上げていただき、結果として多くの案件が持ち込まれています。

会社は人の集まり
 企業支援にかかわる人にとって大切なのはテクニックよりも、まずは人の痛みが分かる心や誠実さだと思います。会社というものは結局、人の集まりですから。現場の人たちがいかにやる気をもって仕事をしてくれるか、そのために何をすればいいのかを私は常に考えています。
  たとえば昨年(2006年)の12月15日にクリスピー・クリーム・ドーナツのお店を開店したのですが、その前に4回もパーティを開きました。メディア向けのパーティならやるところもあるでしょうが、私は取引業者の方々、アルバイトなどのスタッフ、その家族も呼んでパーティをしました。少しでもお店のファンが増えてほしいと思ったからです。
  あとは、ちょっとした茶目っ気みたいなものも現場にあればいいなと思います。茶目っ気があれば人は楽しんだり喜んだりしてくれるし、やる気も出てきます。それに私自身も楽しいですからね。皆さんも、ぜひお店に来てください。オープンの日に、お店の前に人が並んだりすると、「ヤッター」と思って、たまらない気持ちになります。そうした気持ちはお金とはまったく別の、とっても大事なものです。

次号(2007年4月4日発行)は、VESTAXの椎野秀聡さんが登場いたします。



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