ユニゾン・キャピタルの第1号ファンドはバイア・ウトファンドで、200億円の投資資金を集めることが目標でした。資金を集めるためまず米国の投資家を回りました。「日本ではまだ誰も手がけたことがないビジネスで、我々はそれに挑戦する」と言って説明したのですが、事業計画について説明すると相手から「それでは、あなたたちはいくら出すのか」と聞かれました。投資ファンドでは、一般に総額の1%〜2%の自己資金を出すことが業界の常識だったのです。それすら知りませんでした。200億円のファンドなら2億円から4億円は自分たちで出す必要があるのです。しかし素人同然といえる私たちの事業計画も米国の投資家たちは真剣に聞いてくれました。
米国で資金集めをした後は、日本の機関投資家を回りました。ある生保では30代の若い課長が出てきて、自己紹介と簡単な説明を数分しただけなのに「申し訳ないけれど、皆さんはこれまで会社の看板で仕事をしてきたのでしょう。看板なしの個人で200億円などというお金を集めるのは無理です。やめた方が良いです」と言われました。しかし、結局、第1号ファンドは170億円の資金が集まり、1999年8月にスタートしました。最終的には総額380億円までになり、アスキー、東ハトなど7社に投資しました。
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