GCAは4人で設立した会社です。今は社員も70名を超えました。スタート時には「日本一のM&A会社を目指す」「3年以内に上場を目指す」と宣言し、上場については1年前倒しで実現しました。
上場したときには「これから独立系のM&A会社が次々に生まれるのではないか」という声が聞かれました。確かに独立系の競合会社はこれからたくさん出てくるでしょう。しかしGCAが負けるとは思っていません。それはGCAが”佐山の会社”ではないからです。
GCAの代表取締役は私だけでなく渡辺さんも代表取締役であり、共同代表という形をとっています。持ち分も私と渡辺は全く同じですし、案件を手がけるときには渡辺から反対される事もあります。そういう点ではかなり健全な組織風土だと思います。よほど信頼がある相手とイコールの関係で始めないとできないでしょう。
これから出てくる会社で、私たちのような社内の関係を築くことができるかといえば、それは難しいはずです。たとえばM&Aに力のあるAさんが会社を作りたいと思い、創業すれば、その会社はおそらく「Aさんの会社」になってしまう。Aさんが絶対君主となって、社員はAさんの顔色をうかがいながら仕事をするようになります。Aさん個人が隅々まで見られる組織となると、スタッフはせいぜい30人から50人が限界です。そうした会社にGCAが負けるはずがありません。
私はGCAの設立を通して人は「やる」と言えば、そこそこできるものだということを学びました。設立した当初は50人ぐらいまでなら何とかいい雰囲気の会社でい続けられるだろう
と思っていました。しかし今は少なくとも100人ぐらいまでは大丈夫じゃないかと
思っています。今はまだ途中経過ですが、皆がやっていることではなく、本来あるべき姿を信じて仕事に取り組めば結構やっていけるものです。私のこれからの仕事は、GCAを“佐山がいなくとも株価が下がらない会社”にすることでしょう。
次号(2007年7月4日発行)は、独立行政法人中小企業基盤整備機構 理事の後藤芳一さんが登場いたします。 |