2000年、グラムコは米国に進出しました。サンフランシスコに現地法人を設立して活動を始めました。しかし成果は芳しくありませんでした。我々がいくら努力しても楔を打ち込めないのです。日系企業も現地の会社に依頼してしまう。現地でITバブルが弾けたのを機に、米国現地法人は4年で解散しました。
しかし、この海外進出が無駄だったとは思っていません。R&Dもできましたしマーケットリサーチもできました。グラムコのラボ的な役割を果たしてくれたのです。この進出と撤退から実感できたことは、欧米でアジアの企業が単独でやっていくのは大変難しいということでした。私の業界でいえば現在世界一の米国・ランドー社は60年の歴史があり、すでに世界十数カ国に拠点を持って活動しています。第2位のイギリス・インターブランド社はフランチャイジー方式で世界にネットワークを広げています。
こうした企業が強力な基盤を築いている中に、後発であるグラムコが分け入っていくのはとても難しいことです。ヨーロッパでは米国以上に難しく、おそらく進出しても拠点づくりすら満足にできないでしょう。そこで、グラムコはフランスのドラゴンルージュ社と提携し、彼らと一緒になって仕事を進めていく道を選びました。 |