当時「日経コンピュータ」という雑誌に「動かないコンピュータ」というコンピュータのトラブルを扱う連載記事がありました。社内では「あれに載ったら終わりだぞ」といわれていたものです。ところが、先輩から引き継いだばかりの会社でのトラブルが記事になってしまい、上司や役員から「どうなってるんだ」と問い詰められて大変な思いをしたことがあります。
もちろんこの経験は、今になってみるとすべて今の自分の血となり肉となっています。営業部長にはビジネスの厳しさを徹底的にたたき込まれましたし、新人の頃からお客様のトップマネジメントの方々と会うことができたのですから。お客様から多くのことを学ぶことができました。
当時お会いした中で印象に残っているのが、創業間もないファンケルの社長だった池森賢二さん(現・名誉会長)です。池森さんにはよく食事に連れて行って貰いいろいろな話をうかがいました。そこで企業経営者が成功するために大切なものとして、「エネルギー」「温かい心」、そして「ぶれない軸を持つこと」を教えられました。当時の私は20代の半ば、池森さんは30代半ばだったと思います。今から考えてみれば、この時代からベンチャー企業の素晴らしい経営者の方々に出会っていたことになります。
(10月10日更新 第2話「ベンチャーの鼓動」へつづく)
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