Venture Capital Groupに異動してからも、私はとにかく外へ出ることを日課にしてきました。これまでの7年間で紹介ベースで約2,600社のベンチャー企業の方々とお会いしました。また、日本のベンチャーキャピタルなどのベンチャーを支援する方々とは約700名(グローバルをいれると約1000名)の人とお会いしてきました。約500名のITベンチャー企業のキーパーソンとは直接携帯電話でやりとりできる関係も築きました。そういった経験からITベンチャー業界の動きはわかるようになってきました。 また、こうした関係を築くことでベンチャー企業との協業案件がいくつも生まれましたし、ビジネス的にもパートナーシップの一定の成果が上がってきています。
実は以前、米国IBMでは、ベンチャーキャピタルとの関係を作るためにベンチャーキャピタルに投資していました。投資をしなければベンチャーキャピタル、そしてその先の投資先企業との良好な関係を構築することができないのが普通ですから。それに比べると私が日本で行っている活動はあまりお金がかかりません。4年ほど前に私の活動について社内に情報発信したところ、「米国では膨大なコスト(投資)をかけているのに、日本では勝屋さんひとり分の人件費と諸経費しかかかっていない。効率の良いやり方だ」ととても評価されました。
確かに私はLP(出資者)ではありませんからベンチャーキャピタルやベンチャー企業の方にアポイントを取っても相手に構えられないというメリットはありました。そして何より、企業同士が協力関係を築くために必要なのはお金ではなく、結局は人と人との信頼関係が一番大切なのだと思えるようになりました。 |