具体的には、月に一度、日本IBMの事業部長や社長を前にサポートすべきベンチャー企業を決める会議を行いました。たとえば可能性のあるベンチャー企業を発見できたときには、そのベンチャーについて「この会社はこれこれこういうコアコンピテンシーを持っていて、事業にはこれだけの市場性がある。将来きっとサーバーがこれだけ必要になるので、今年はサーバーを安価に提供したい」といったことを会議で申請するのです。決定はその場で行われました。
創業間もないITベンチャーにとってサーバーが安く手に入れられることは経営にとって大変プラスになります。普通の営業活動だけではサーバーなど簡単に売れるものではありません。しかし、サーバーを安価に提供するといった形で、可能性のあるベンチャー企業を支援をすることで、後々サーバーの売上げに繋がっていくことを証明できたのです。
ネットジェンのプロジェクトが進行していたころ、メンバーのひとりだった伊藤昇(現日本アイ・ビー・エム 理事 ソフトウェアパートナー& GB事業部
長)さんが、「渋谷にITベンチャーの起業家が集まっている場所があるらしい」という情報を聞きつけました。私もその話をおもしろそうだと思い、早速出かけていきました。 |