ニュービジネス協議会に関わったのは約2年。その後は、3年間、鹿児島県の商工労働部長として地方のベンチャー企業と付き合うことになりました。しかし、地方でイノベーションを興そうというのはなかなか大変なことです。焼酎や大島紬など、特産品の売り込みを陣頭に立って展開するなどいろいろ手がけました。
それから、産学協同センターを作って、鹿児島大学に産業の芽を育むための土壌整備にも取り組みました。そして、鹿児島から帰ってきた1997年からの2年間は、環境立地局で立地政策課長として地域政策に取り組みました。その後、ベンチャー支援と地域開発が、自分にとって大きなテーマとなりました。
こうした関わり方を通じて地方の懐に入って活動しましたので、地方の疲弊というのは肌で実感しています。地域自身が自立的に発展していくにはどうすればいいかということを、ずっと考えてきました。企業誘致も一つの手段ではありますが、単なる生産拠点を作るだけでは、頭脳部分である研究開発やデザインを担当する人たちが来ない。誘致を上手く活用しながら地場で何かを興していくには様々な人材がいるわけです。農業と組むなど、地方の内発的な努力も必要になると思います。
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