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Vol.022 財団法人ベンチャーエンタープライズセンター理事長 濱田隆道第4話 逆風に向かう
コラム(4) パーソナル・データ(4)
日本のエンジェルを探して
 米国のビジネスエンジェルの実態を把握したことで、日本においても全国的な規模でビジネスエンジェルを発掘していきたいと思っています。我が国でも、公けにはなっていませんが、地方の有力な人や成功した人たちは、エンジェル的な投資を行っている人は多いと言われています。ですから、これらの人たちをネットワーク化しながら、米国のエレガントな方法論を導入して、日本型のビジネスエンジェルネットワークというものを構築していきたいと考えています。
 日本のベンチャーキャピタルが息も絶え絶えになっていた1980年頃に、投資事業組合制度というものを考えて、これなら資金が集まるだろうと思って尽力しましたが、それが結局、日本のベンチャーキャピタル発展の基礎になったと思っています。でも、あの当時の多くの人の考えは、「日本ではベンチャーキャピタルは育たない」というものでした。そして「米国と日本は文化が違うからね」と言い、それが主流でした。
 どんなことでも文化論にすり換えてうまくいかない理由を捜すのは簡単ですが、文化の違いを乗り越える市場原理やメカニズムというものは必ずあるはずで、その応用可能なメカニズムをみんなで探っていこうと思っています。


世界に開かれた可能性
 これからやるべきことはたくさんあります。たいへん楽しみにしています。今、ベンチャーキャピタルの世界に逆風が吹いていますが、いろいろな角度からベンチャー支援策を再点検して、新しい視点を積極的に取り入れながら、根本的な仕組みを考えていこうと思います。
 そのためには、新興市場がさらに活性化する仕組みを作っていくことはできるはずです。地方でもそれぞれのエンジェルのネットワーク化を図り、ビジネスエンジェルのネットワークを強固なものにしていく。そして、新興市場を頂点とするヒーローを生み出していくことです。ベンチャーの世界にはこうしたストーリーがあってしかるべきですね。もちろん、ヒーローを育てるには、IPOを終着駅としないことです。そこはあくまでも、次なる成長へのスプリングボードにすぎないのですから。
 さらには、こうした成長の形を地方ごとに作っていくことが必要です。東京と地方というのはまったく異なるスケールですし、地方は地方でそれぞれの地域性や特長を生かしながら頑張っているわけですから、その目線で新しい芽を発掘し、そこから世界に出ていくという道筋もあると思うのですね。ベンチャーとは、そういう世界に開かれた可能性を持った世界であるということなのです。



次号(2008年1月9日発行)は、市民バンク代表の片岡勝さんが登場します。




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