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Front Interview
第1話 第2話
第3話 第4話
Vol.034 アドベック CEO ブルーノ・ラシュレ第2話 未来をつくる
パーソナル・データ(2)
チャレンジ
 ベンチャーキャピタルの面白さは、すべてのプロジェクトが未来を形づくるものであるという点です。同時にすべてのプロジェクトは商業的なチャレンジです。商業的な成功とは、関与した人間が自分たちの持てる力のすべてを注いだ時にしか達成できないもので、時には関与している人々が限界点までチャレンジする必要があります。
 アドベックは創立間もない頃、業界のリーダーの方々の信頼を得ることができ、ファンドの告知や募集について順調なスタートを切ることができました。それはすべての事柄に関して、迅速なフィードバックを行い、会社のことにことすべてについて、自分自身で完全に把握できている自信があるからです。物事の成否の判断は、すべての行動を1つ1つ確実に把握するところから始まります。内省と自己観察が判断基準としてしっかり機能するようになり、アドベックで当初計画したことは、ほとんどすべて順調に達成されています。
 私がビジネスを始めたことで学んだのは、成功するための最も重要な要素とは、第一にプランを持つこと、そして、ためらわず疑うことなく始めることです。不可能という言葉は、私の辞書にはありません。次善の策を持つことは多くの場合、無策であることよりははるかに有効なのです。自分の話を聞いてくれる専門家は周りに数多くいますが、何を実行するにしても、常に最後は自分自身で決定する必要があることを忘れてはいけません。私自身はこれまでの人生を通じて、普通では経験できないようなことをする機会を与えられましたが、それは幸運に恵まれたと思っています。

リスクとリターン
 ベンチャーキャピタルの支援を受ける起業家が、次世代の産業を創造していく上で必要不可欠なことは、まずビジョンを持つことです。そしてリスクを自ら進んで取ることです。また、事業の内容について深く、情熱を持って打ち込むことが、インパクトの強い効率性を実現する必須条件となります。
 アドベックが投資しているAccel、Delphi、TA、Summit、Silverlake、Bain、Segullah、Alpha、Advantage、GSR、CDHといった運用会社には、多くの素晴らしいファンド・マネジャーが存在します。これらの運用会社に共通していることは、まず、リスクを取ることです。そして、積極的なリスク管理を行い、決断力と一部の顧客を優遇しないというポリシーを持ち、受託者としての高水準のガバナンスを実行していることです。
 これらの要因が、こうした運用会社に高いリターンをもたらしているのは間違いありません。さらに、運用会社が独自に作り上げ、活用しているネットワークとフランチャイズが高いリターンをもたらすことに貢献しています。それらが投資先の企業に対する大きな利益ともなっているのです。このようにファンド・マネジャーとそのポートフォリオを成す企業は一体として特別な雰囲気を創出しており、社会において高い評価を獲得しています。こうした企業こそが、新しい時代の、新しい未来を形づくっていくのです。


(12月17日更新 第3話「バランス」へつづく)



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