私たちには明確な哲学があります。それは「極力、市場に出て行く」ということです。日々、投資家の方々と話をし、ファンドマネジャーとも直接話をし、各業界のエグゼクティブの方とも接触する機会を持ちます。例えば、先週、中国で10名以上の投資家の方々と投資先へデューデリジェンスのための訪問を行っていました。直接話し合うことによって、実際に市場でどういうことが起きているのか、その基本的な部分を押さえ、感じることができます。市場は往々にして、その時々でヒートアップすることがありますが、そうした一過性の情報に振り回されることなく、正しい判断を下すことができると考えています。
とにかく市場に出て、直接人と話すことです。それが新しい変化に関する情報を収集する最適の方法であり、変化を捉える術だと思います。そういう意味では観察、それから経験がなにより重要です。これらのものを魔法のように手にできることは、まずありえません。そのためには、より自分の興味を高めるように仕向けること、そして実行することです。同時に、すべてに対して謙虚であること、そういうニュートラルな姿勢で観察することも大切になります。
世界を回っていて感じるのは、それぞれの国の投資家に非常に大きな違いがあることです。その特徴や違いというものは、それぞれの文化の背景やマネジメント自体に対する考え方の違いに起因していると思われます。それぞれの地域、それぞれの国によって文化が違い、それゆえ、見方、考え方も異なり、当然、ニーズというものも変わってきます。そうした差異に対して、常にオープンであること、謙虚にその違いを受け止める姿勢、気持ちを大切にしなければならないと思います。
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