【森本】 エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズは10月1日より大和SMBCキャピタルに社名を変更しましたが、どのような組織的な変遷を辿っているのでしょうか。
【横山】 当社の母体は大和証券系の日本インベストメントファイナンスという会社で、1982年に設立しています。この日本インベストメントファイナンスは、2000年に大和ファイナンスと合併してエヌ・アイ・エフベンチャーズという名前になります。そして、2005年10月に、三井住友銀行系のSMBCキャピタルと合併をして、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズとなっています。さらに、今年の10月に、社名を大和SMBCキャピタルに変更しました。日本のベンチャーキャピタルの歴史は、1963年に東京、名古屋、大阪にできた中小企業育成投資会社が始まりとされています。その後1972年に京都エンタープライズデベロップメント、1973年にジャフコの設立があります。この時期は第一次ベンチャーキャピタルブームといわれています。そして、1982年に第二次ベンチャーキャピタルブームが始まります。この第二次ベンチャーキャピタルブームに当社の歴史が始まったということになります。
【森本】 こうした変遷の中で、投資に対する取り組み方で変わっていった点はありますか。
【横山】 私は、1996年2月の入社でして、それ以前はベンチャー市場といっても、店頭公開市場しかなかった時代です。したがって、親会社の大和証券を通じた案件へ投資するスタイルが中心で、それもレイトステージの案件への投資がほとんどでした。ベンチャー投資というよりも、公開を間近にしている中堅の未公開企業に投資するイメージが強かったと思います。それから、マザーズ、ヘラクレスといった新興市場ができてきて、そこから本当の意味でのアーリーステージへの投資ができるようになってきます。この動きの背景としては、1995年に中小企業創造法という法律ができて、全国にベンチャー財団がつくられたことがあります。そのベンチャー財団がアーリーステージでも投資の7割を保障するシステムができて、ベンチャー投資がしやすい環境ができてきます。それから2001年に、文部科学省が2004年までに1,000社の大学発ベンチャーの設立を目指すという目標を掲げて大学発ベンチャーを積極的に奨励しはじめます。こうしたことから、アーリーステージへ投資する本来あるべきベンチャー投資が実践されるようになってきました。当社の母体会社がその当時に合併を行ったのも、こうしたベンチャー投資にまつわる環境変化が要因になっていたことは間違いないと思います。
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