【森本】 投資部での案件の発掘はどのようにされているのですか。
【横山】 まず、大和証券と三井住友銀行からの紹介案件の検討があります。これまで大和証券の窓口は投資企画部が担当していましたが、10月からは投資開発部に移管しています。三井住友銀行の窓口は投資第2本部が担当しております。あとは、投資部の個人個人のネットワークから案件を発掘する自主開拓が重要なルートになります。投資先の紹介や他のベンチャーキャピタルからの紹介を含めて、それぞれのネットワークから情報を得ていきます。
【森本】 案件の審査はどのような進め方をしていますか。
【横山】 担当者が持ち込んだ案件に対して、所属長の判断を経てから部内で検討します。そして、それが技術系の案件であれば、テクニカルアドバイザーにかけた審査をします。その後、先方の役員との面談による審査を行います。そして最終的に、社長と役員で構成する投資委員会で決定という流れになっています。
【森本】 投資委員会はどれくらいのペースで開催していますか。
【横山】 毎週水曜日に開催しています。案件が多いときには2日にわたって投資委員会を行うこともありますが、平均するとだいたい毎週3〜5社の審査をしています。
【森本】 現在の投資状況はどのようなものですか。
【横山】 昨年投資した企業数は100社を超えています。
【森本】 審査で投資を見送った企業のその後のフォローはどうされていますか。
【横山】 一回投資を見送った企業でも、問題点が改善されていれば投資対象になるわけですから、投資を却下したあとでも継続して、その企業のウォッチングは続けています。担当者は、ファイナンスを検討するずっと前からその企業を見てきているわけですから、その関係性は、そのまま続けていくことになります。
【森本】 審査で、判断のポイントにしているところは何ですか。
【横山】 やはり、リスクとリターンの判定に一番注意を払います。当社は株式上場していますので、まず株主の利益に応えなければいけませんし、それにファンドへの出資者の利益にも応えなければなりませんから。収益を上げることが大前提です。もちろん、儲かればどんな企業でもいいわけではなくて、社会貢献できる企業、技術であることは重要です。
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