20年間、市民バンクを続けていますが、この間、女性はずっと健全でした。とくに地域に出てみると、そこに女性のエネルギーが溢れているのがよくわかります。女性が地域の中で生き、その地域で必要と感じたことは、ちゃんと継続するために事業化していこうと進めてきました。ですから、基本的に融資対象にしているのは女性です。地域ビジネスでは女性が事業の主人公になるべし、と言うコンセプトで始めました。
行政に任せても、コストが高くてクオリティの低いものしかできない、ということに20年前から気づいていていました。税金に頼らず、基本的にはサービスの対価を求めながら、自立的に事業を継続していくだけのことですから、民間ですべてやってみればいいのです。行政の仕事をどこまで削れるか、なくせるかということを、一度実験してみるのです。すると、意外と誰も困らないのではないかと思います。その実験をすることが、次世代に「軽い」日本を残すことにつながっていくはずです。
今はとにかく、すべてが重すぎる。国債コストも重いし、手続きも煩雑、至る所に裁量権があって真綿で首を絞めるような意地悪が横行しています。こんな重い国では次世代が可愛そうです。もっとオープンで軽くて、透明性のあるフェアな国のありようでなければダメです。そういう社会を残していかなければ、次の世代は日本から出ていってしまいます。僕らの事業というものは先駆的なもので、正しくあるべきものを起業し続けてきました。だからこそ、広がってきたのだと思います。ぼくが資本の過半を持っているところで給料をもらっている人が100人をだいぶ前に越えました。これからは自分の組織を大きくするより、志の近い人々を応援することで、この流れをもっと加速させなければならないし、そうしていくことが日本社会のリニューアルにつながると思います。そこでは市民バンクで融資した先や、ファンドで投資した先、WWBのスクールを卒業した人など1,000件を超えます。ここのネットワーク化が次の課題です。
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