たとえば、1,000万円である会社を作るとします。会社を作るのは若い人で、出資するのは僕。簡単にいうと、この会社が10万円ずつ、100個のプロジェクトを作るとすると、もとの1,000万円がなくなります。そのプロジェクトで、地域ごとの小さな生産者にいろいろなものを作ってもらうようにします。つまり事業が立ち上がるわけです。そして、10万円の利益が出たら、1,000万円で作った会社の株を、その10万円で買い戻してもらうのです。そうすると、100の事業が成功すれば、1,000万円の会社すべてが地域の人のものになる。それで、僕の手元には1,000万円が戻るだけです。この仕組みを、豊かな日本のお金が余っている人たちがやればいいのです。
ファンドの次に取り組んでいる、国を跨いだソーシャルトラストとでもいうシステムです。100の事業がすべてうまくいくとは限りませんが、それを実験してみて、もしうまくいけば、彼らによる、彼らのための、彼らの会社が生まれます。そういうものの成長を将来の夢にして、みんながお金を投資するようなソーシャルな仕組みが根づいていくというのが、僕自身の次の夢であり、金持ち国・日本の課題だと思います。
次号(2008年2月6日発行)は、スパイクソース株式会社 CEOのキム・ポレーゼさんが登場します。 |